【教員採用】私立編 雇用形態について

私立高校の教員になるにあたり、気になることの一つが雇用形態ではないでしょうか。

 

「教員=公務員」

 

だと思っている人が多いと思うのですが、私立の教員は分類としては一般企業に勤める人と同じく「会社員」になります。

 

私立高校の教員として働き始めた時、よくあるアンケートの職業欄で、「会社員」にチェックを入れながら、なんとなく違和感を感じたのをよく覚えています。

 

そのため、雇用形態や副業の可否なども学校によって異なってきます。なので、この記事で紹介していることが必ずしも当てはまる訳ではないので、採用試験を受ける予定の方は必ず各自調べてください。

 

雇用形態は大きく分けて3つです。

 

①専任教諭

②常勤講師

③非常勤講師

 

専任教諭は終身雇用、常勤講師と非常勤講師は期限付きの雇用であることが多いです。

 

①専任教諭

終身雇用のため、何か悪いことをしたりしない限り定年まで努めることができます。

ただし、初めからいきなり専任教諭で試験に合格する人はとても少ないです。とはいえ、そもそも専任教諭の枠が空いていて、採用のチャンスがあることが珍しい学校もあるので、希望する学校で専任教諭の募集が出ている場合は受けることをお勧めします。

※次に、同じ教科の誰か他の専任教諭が辞めるか退職するか、しなければ専任教諭の枠が空かないということもよくあります。つまり、この先何年も専任教諭は採用の予定がない、みたいな場合もあるのです。

 

専任教諭の採用にあたっては、採用後に育てていくことを考慮して、年齢制限がある場合が多いです。なので、チャンスのあるうちに、探しておくことも重要です。

 

また、企業のように、他校からの引き抜きなどもあります。例えば、進学実績を重視するような学校であれば、ツテをたどって進路に関する指導力のある先生を引っ張ってきたりすることもあります。

 

一旦専任教諭として採用されていると、別の学校でも専任教諭として採用してもらえる確率が高いというメリットもあります。

 

②常勤講師

通常は3〜4年契約での採用です。学校によっては、かなりの確率でそのまま専任教諭になれるところもあります。逆に、3年以上の契約更新はしないと決まっているところもあります。

 

中には、常勤講師の中から専任教諭として採用する人をほぼ決めた状態で、専任教諭採用を募集するような学校もあります。学校としても、全く知らない人よりは、普段の勤務態度などを見ていて、気心知れている人の方が一緒に仕事をしやすい、と思うのは当然です。

もちろん、そういう学校ばかりではありませんし、テストの点数がずば抜けて良かったり、それまでの勤務校をみて、一発で専任教諭として採用してもらえる場合もあります。

 

常勤講師の雇用形態の1番の特徴は、終身雇用ではないというところです。

ですが、難なく生活できるくらいの給与はもらえるので、家庭をもちながらずっと常勤講師として学校を転々とする人もいます。また、子育ての落ち着いたママさん先生で常勤講師をしている方もいます。私立は学校によって校風や指導方針が大きく異なるので、自分が働きやすい学校を見つけるまで探すことができるというのもメリットです。

 

ただ、わたし個人としては常勤講師としての採用がいちばん苦労は多いと思います。

 

永年雇用にしてもらえるか分からない、専任採用への道が途絶えないよう日々評価されているような気持ちで仕事に臨まないといけない、勤務しつつ次の学校の採用の準備もしないといけない、ほぼ同じ業務量にもかかわらず専任教諭より給料は安い...。周りからの評価や信頼を得ようとすると、ついつい仕事をあれこれ引き受けてしまい、しんどくなりがちな毎日でした。

 

③非常勤講師

この採用がいちばん柔軟です。

期間も短いものでは1学期ぶんだけ、というようなものから学校によっては条件をクリアすれば永年雇用にしてもらえるところもあります。

 

そのため、募集も時期を問わず、あちこちでたくさん見かけます

 

仕事内容も専任教諭や常勤講師とは大きく異なります。また別の記事で詳しく書きますが、非常勤講師が最も業務の幅は狭いです。

 

フルタイムの勤務ではないので、子どもが保育園に行っている間だけ働きたい、というママさん先生や専任教諭を退職した先生方が再雇用の形で働くという場合も多いです。逆に、いくつかの学校で非常勤講師を掛け持ちすれば、専任教諭より週あたりの授業数が多いなんてこともあります。学校側からの需要との兼ね合いはもちろんですが、自分のやりようによって、調整が可能です。

 

週あたりの担当コマ数が多いだけ給料は上がります。もちろん仕事量は増えますが、非常勤講師の掛け持ちだけで生活していくことも難しくはないと思います。また、勤務校によっては、非常勤講師でもボーナスの支給がある場合もあります。

 

 

雇用形態については以上です。

はじめにも書きましたが、一般企業同様、学校によって細かいところは異なりますので、あくまでも参考程度に読んでもらえればと思います。

 

常勤講師や非常勤講師の場合、雇用保険や私学共済への加入については、担当するコマ数や学校の規定によって異なりますので、事務室に問い合わせて確認することをおすすめします。